いよいよインフルエンザ大流行か!?
今回は鉄道とも Osaka Metro ともあまり関係のない話をします。
でも多くの人にとって大事なことだと思いますので、どうかここで書かせて下さい。
過去記事「【大阪市】インフルエンザが流行寸前!?【2019】」で、大阪市内のインフルエンザの猛威について触れましたが、いまや全国的に爆発的な勢いで流行が拡大しています。
追記:厚生労働省がきょう、2019年1月25日(金)に発表した資料によると、全国約5000か所の医療機関から報告されたインフルエンザ患者が1医療機関当たり平均53.91人で、前週に報告された38.54人にくらべ、さらに患者数が増大するという結果になりました。1週間の推計の患者数は約213万人に達すると言われており、47都道府県すべてで警報レベルを超えています。
少し解説を加えると、定点医療機関からの総患者報告数を定点医療機関数で割った数を「定点あたり数」といい、その数が10以上だと注意報、30以上だと警報という仕組み。
30以上は大流行が疑われる警報レベルとされていますので、先週の報告に引き続き警報レベルを超えており、これはもう、すでに大流行に突入しているという見方もできるのではないでしょうか。
大阪の状況
大阪府につきましては、前週の定点あたり数36.81に対して、最新のデータでは46.09。大阪市は49.71です。
いずれも警報レベルの30を超えており、全国的な流行について大阪も例外ではないことがわかります。
追記:NHKの記事を引用すると、「滋賀県、兵庫県、京都府、それに大阪府では、1週間あたりの患者数が去年の最も多い時期を上回り、過去10年で最も多くなっています。各地の自治体では、引き続きインフルエンザ警報を出して、手洗いやマスクの着用など対策を徹底するよう呼びかけています。」(引用終わり)とのことだそうです。
これだけ感染が拡大していると、インフルエンザのウイルスを生活の中から完全にシャットアウトすることはかなり難しいでしょう。
過去記事「電車でマスクする人、しない人」でも書きましたが、この時期の電車内の感染リスクは相当高いと思われます。
通学通勤で満員電車に遭遇する人については格別の注意が必要です。
引き続き、手洗いうがい、マスクに予防接種など、基本的な予防法を確実に行っていきたいと思います。
後悔する前に重症化について知っておく
インフルエンザを風邪の一種だと考えている人もいるかもしれませんが、インフルエンザは時に重症化する病気です。
そしてインフルエンザによる重症化は、かなり高い死亡率で知られています。
特に子どもがインフルエンザで亡くなる場合の経過はとてもはやく、発症から亡くなるまで2日程度のことが多いそうです。
インフルエンザをあまくみてはいけません。
死因のトップはインフルエンザ脳症
インフルエンザで亡くなる場合の直接の死因のトップは脳症・脳炎です。
日本でのインフルエンザ罹患数は50万人~200万人程度だそうですが、このうち脳症や脳炎になるのは100~500人ぐらい。
1万人に1人か多くても2人ぐらいという割合のようです。
そう考えると確率はあまり高くありませんが、ひとたび脳症にかかってしまうと、その死亡率は30%前後とも言われています。
それに、たとえ命は助かったとしても、何らかの後遺症を残す割合も25%とされていて、極めて予後が悪いのが特徴です。
最近ではもっと致死率は低いとされることもありますが、脳症によって重症化することが死亡への高いリスクになっていることに違いはありません。
サインに気を付ける
実はインフルエンザ脳症の発症のメカニズムなどはほとんどわかっていません。
よって脳症による重症化を防ぐ完全な予防法は今のところありません。
当然、家庭内で対処することはできませんので、異変を見つけたらすぐに病院に行くことが大事です。
インフルエンザ脳症の発症を発見するポイントは、「意識障害」、「けいれん」、「異常行動」の3つだそう。
呼びかけに応えない、目の焦点が合っていない、もうろうとしてる、刺激しても目を覚まさない、などの意識障害がある場合、インフルエンザ脳症を疑った方がいいかもしれません。
また、手足を突っ張る、目が上を向く、がくがくするなど、15分以上のけいれんや何度も繰り返すけいれんは危険のサイン。
ろれつがまわらない、意味不明な言動、走り回る、怒り出すなどの異常行動がみられた場合も、なるべく早く医療機関で受診しましょう。
インフルエンザ脳症と解熱剤
脳症と解熱剤の関係を気にされる方も多いと思いますが、インフルエンザ脳症にかかった方が使用しても死亡率が高まらない薬と、高まってしまう薬があることを知っておいたほうがいいでしょう。
厚生労働省は、ボルタレンやポンタールなどを飲むことで、インフルエンザ脳症を悪化させ、死亡率を上げてしまう可能性があると警告しています。
インフルエンザに対してこのような薬が出される可能性はありませんが、以前に別件でもらった薬が残薬として戸棚や冷蔵庫に眠っていると、それを使用してしまうことがあるので注意が必要です。
ただ、もっと大事なことは、インフルエンザに対して安易に解熱剤を使わないということではないでしょうか。
はっきり言えることは、解熱剤にはウイルスを減らす力がないということです。
人間は熱を高めることでウイルスの増殖を抑え、白血球を活性化させ、免疫を高めることができますが、解熱剤はその熱をわざわざ下げてしまうことはできても、ウイルスを減らす役にはたちません。
それでもどうしても熱を下げたい場合は、けっして市販薬や残薬などには頼らず、病院で処方薬をもらうべきでしょう。
まとめ
インフルエンザにかかってしまうことは悪ではありませんが、それを人にうつしてしまわないように注意することはとても大事です。
インフルエンザは死亡のリスクがある病気なのです。自分が平気だったとしても、ほかの人にうつった時に平気とは限りません。
さきほどは脳症にかかる確率は1万分1か2くらいと書きましたが、年々変化するインフルエンザの種類によっては、もっと高くなるかもしれませんし、これ以上悪質化しないとは言えないのです。
まず、自分がかからないように、手洗いうがいにマスクの着用など最低限の努力はする。
もしかかってしまったら、出勤や通学をとりやめ、人にうつしてしまないように最大限の配慮をする。
そういう当たり前の意識が、もしかしたらインフルエンザによって死亡する人を1人でも減らすことになるかもしれません。
今回はほぼ Osaka Metro と関係ない話でしたが、長々と書いてしまいました。
私は願います。インフルエンザ脳症でお子様が亡くなるという悲しいできことが、もうおきませんように。